家でひとりで今夜もカレーで

つれづれに、カレー記



沖縄あぐー豚ポークカレー(沖縄北谷自然海塩株式会社)

三十代ももう後半の後半、もうすぐ四十郎といった立派な中年男性が、一度も海外に行ったことが無いと告白したら、世の人々はどう思うだろう。
見識が浅く人生経験に乏しく何の決断力も持たぬ薄っぺら野郎と差別されてしまうことは必定であろう。

まあそんな憂き目も致し方なし。このご時世で狭い島国からいっ時でも出てみようとも思わないのは、よほど強固な国粋主義者か、よほど漫然と日々を過ごしてきた与太郎かのいずれかであり、まあその大体は後者であると判じられてしまうのはやむを得ないところであろう。

一口に海外バージンと言っても、諸々分類はあり、その中でも比較的上位というかまだマシ扱いしてもらえるのは「でも沖縄なら行ったことありますけど」一派であることは論を俟たない。

言うまでもなく沖縄県の本島から離島全てに至るまで日本国に帰属しており、その事実は何物にも侵害されるべきものではないが、例えば東京から見た場合、地勢的には海外クラスの座標にあることもまた確かである。
電車や車だけでは達することのできない場所へと訪れたことのある人間とない人間。
どちらが人から一目置かれるか。どちらが見下げ果てた弱小と舐められるか。改めて言うまでもないところだろう。

そんな14歳のチェリーボーイと等しい存在として日々虐げられている私とは対照的に、年に最低2回は沖縄行きます、こないだはイシガキ今度はミヤコ、といった塩梅の人物が同じ職場にいたりして。何だよくそう実家暮らしはそりゃ金貯まるからいいわなと当方妬み嫉みを募らせるばかり。
とはいえあちらさんは上位者。小人物の私とはステージからして異なる。

ステキなお土産を頂戴したりして、こちらはますます惨めに這いつくばるばかり。



いわゆるひとつのご当地カレー。あぐー豚、なんか聞いたことある。



漆黒のパウチがカッチョイイ。賞味期限表示とプラマークがなければ白い粉でも入ってるんじゃないかと疑わしく思えるたたずまい。



うむ。美味。ポークカレー自体滅多にチョイスしないのだが、この独特の甘みもたまには良い。
具もしっかり主張しており、柱であるところのあぐー豚も確かな存在感。


ふむなかなか美味かったな、さすがは沖縄どころか海外にまでしばしば行くという経験豊富なツワモノの土産。
ごくごく近場に行ってきてはいっぱしの旅行者気どりになり、土産といえばご当地カントリーマアム一辺倒の私も見習わなければならないところ。

さて、なんていうメーカーが作ってるのかなと後学のためパッケージの裏を見てみる。


豚が豚入りのカレーをボイルして美味しくいただこうとしている。そして、その目には何の感情も感じられない。


恐ろしい。やはりドーテイ野郎にはまだハードルの高い世界であったようだ。


沖縄あぐー豚ポークカレー(沖縄北谷自然海塩株式会社) ☆☆☆★