家でひとりで今夜もカレーで

つれづれに、カレー記



黒牛カレー(吉野家)

春の天皇賞には思い入れがある。
子どもの頃にオグリキャップやらナリタブライアンやら耳目にはしていたものの、私が競馬としっかり出会ったのはごく最近、キタサンブラックが一度目の春の盾を獲得した二年前のことである。

何となく足を運んでみた東京競馬場で、ガッツリとハマって早二年。
年齢を重ねてから遊びを覚えてしまうと、よろしくないハマり方をしがちというが、当方もご多聞にもれずといったところ。
金曜の夜、誰かと会うこともなく、待っている家族もない狭いアパートメントの一室で、吉野家食いながら翌々日の競馬の検討。

牛丼とコーヒー、というわけではない。さすがにそんな無法は世の中まかりとおらない。
もちろんコールタールというわけでもない。じっくり煮込んだためか材料由来かわからぬが、味を追求した結果として漆黒に染まったブラックカレーである。
当方実は初邂逅。

やはり吉野家である以上、ギュウなしの黒カレーというのはむしろ邪道。案外サラッとしているカレーを牛肉に絡めてライスとともにパクパクやる。
牛肉入りのカレーというよりは、カレー付きの牛丼といった風趣だろうか。

コクのあるカレーが存外牛丼と調和する。
辛すぎず、かといってカレーの醍醐味である刺激も薄いというわけでなく、まあ丁度良いと言える食べやすい味わい。
野菜や果物のエキスをベースに、15種類のスパイスを使っているのが売りらしいが、半可通の私には、あいにく13種類ぐらいまでしかわからなかった。


天皇賞は二年前と同様、東京競馬場のターフビジョンを通して観戦した。
黒に塗りつぶされることはなく、七色の輝きがターフを駆け抜け、私は人生を振り返ってもちょっと記憶にないほどの大きな声を出した。

レインボーラインの傷の快癒を心から願う。


黒牛カレー(吉野家) ☆☆☆